インプラント

執筆者情報:柴 隆三

インプラントとは?
どのような治療法?

インプラントとは、厳密には人の身体に埋め込む人工物のことを言います。歯科診療に用いられるインプラントは、「デンタルインプラント」と言いますが、近年は歯科におけるインプラント治療が一般的になっており、単にインプラントと呼ぶことが多くなっています。(当サイトでも「インプラント」としています。)

インプラント治療とは、歯を失った箇所に人工の歯根(インプラント)を埋入し、歯を補う治療法です。従来は、歯を失った治療法としてブリッジや入れ歯が一般的でしたが、近年はインプラント治療を希望される患者様が増えています。

歯は、目で見える部分の歯と、それを支える歯根から成り立っています。歯を失うということは、それを支えている歯根も失ってしまうということです。「インプラントと差し歯は何が違うの?」という方も少なくありませんが、差し歯は歯根が残っている状態で行う治療であり、インプラントは抜歯が必要になった時(歯根がない)に行う治療法です。

東鎌ケ谷歯科による
インプラント即時埋入

インプラント即時埋入とは

院内ポスター

抜歯即時埋入とは歯を抜いたその場でインプラントを入れる手術をすることをいいます。

従来の方法では歯を抜いて歯茎と骨が閉じるのを待つため3〜6ヶ月治癒を待ってからインプラントの手術を行なっていました。しかし歯を抜くと歯を支えていた骨の血流が乏しくなり吸収して骨が少なくなってしまいます。インプラントを入れる際に骨がないと入れれないために骨を増やすための手術が必要になるので骨造成術(G B R)が必要になります。骨造成術を行う場合以下のデメリットがあります。

  1. 骨造成術の手術費用がかかる
    (通常10〜20万円程度)
  2. 骨造成術の手術が終わってから定着するまで6ヶ月程度待ってからでないとインプラントを入れる手術ができない
  3. 骨造成術の術後の疼痛や顔の腫れが大きく患者様の身体的な負担が大きい
  4. 歯茎が減っている可能性もあるので粘膜の移植が必要になるとその手術の費用負担や身体的な負担もある

最近もこの方法がよく行われておりますし、当院でもこの方法が主流でした。

しかしこの治療をすると歯科医師として良い治療ができたと思う反面、患者様の様々な負担を目の当たりにしてどうにか良い方法はないものかと考えるようになりました。患者様の負担を減らすためにはよりシンプルで短期間で終わる方法ということで挙げられるのが抜歯即時埋入となります。

歯を支えている骨が一番ある状態は歯を抜く前になります。歯を抜くのと同時にインプラントを入れると骨と歯茎の減少を極力少なくしてインプラントを入れることができるので他の手術をする必要がなくなります。
また他の手術が必要なくなるので治療の期間も大幅に短くすることができます。歯を抜いてできた歯茎の穴(抜歯窩)にインプラントを入れるのでメスで切開なども必要なく術後の腫れや痛みは極力少なくすることができます。

インプラント即時埋入を
お勧めする患者様

  • インプラントをやりたいけど骨を作る手術をやらないといけないと言われて躊躇している患者様
  • なるべく治療の期間を少なくしたい患者様
  • インプラント手術による痛みを少なくしたい患者様
  • 色々な手術を省いて費用を安く抑えたい患者様

東鎌ケ谷歯科による
インプラント即時荷重

インプラント即時荷重とは

即時荷重とはインプラントを入れたその日に仮歯を入れる方法のことを言います。

インプラントは簡単に言うとネジの構造をしております。日曜大工をやられる方は想像がつくかと思いますが、木の板にネジを入れるときにまずはキリで穴を明けてそこにネジを入れると思います。そのときにどれほどネジが強く木の板に固定されているかと言うのがインプラントが骨にしっかりついているかの感覚は非常に似ております。

今まではインプラントを入れるときはトルクレンチと言うどれほどの強さでインプラントを締められているか(ニュートンという単位)だけで手術中に見ていました。当院では共鳴振動を用いてインプラントがどれだけ骨にしっかり固定されているか計測する方法(I S Q)も併用しております。
このニュートンとI S Qが一定の基準をクリアした場合はインプラントを入れたその日に仮歯を入れることができます。仮歯を入れるとすぐに見た目の回復ができるので、従来のインプラントであるとインプラントを入れた後3〜6ヶ月待った後に仮歯が入っていたことを考えると歯がないストレスが大きく改善されることとなります。

一点注意してほしいこととして手術をした日からしっかり噛めるわけではないことは認識しておいていただきたいです。理由としては手術した日にインプラントが骨に固定されている事を初期固定と言います。初期固定は術後2〜4週間の間に弱くなります。
4週間後以降に固定がまた強くなってきます。この4週間を過ぎたらある程度は仮歯で噛んでいただいても大丈夫になります。術後2ヶ月後経過して再度縁ISQを計測して問題がなければその時点で型取り(現在は口腔内スキャナーでスキャン)をして術後3ヶ月でインプラントの被せ物を装着することができます。

インプラント即時荷重を
お勧めする患者様

  • インプラントをやりたいけど歯がない期間があると困る患者様
  • インプラントの手術を受けてある程度早めに噛めるようになりたい患者様

当院のインプラント治療の特徴

手術がシンプルなので結果として期間が短く、費用が安く、痛みが出にくい、なるべく大掛かりな手術を避けてインプラントの手術を行うことができます(サイナスリフト、骨造成などを極力避ける)。

サイナスリフト、骨造成、結合組織移植術、角化歯肉移植術の多数実績もあるため抜歯即時埋入、即時荷重の対象でない患者様にも幅広く対応できます。
当院ドクターはインプラント再建歯学研究会における認定講習会(いわゆる100時間講習会)、MEGAGEN JAPAN主催のセミナー多数受講。

当院で使用しているインプラントの種類

MEGAGEN社のインプラント

MEGAGEN社のインプラント

当院では世界的に大きなシェアを誇っているMEGAGEN社のインプラントを使用しています。
MEGAGEN社のインプラントはヨーロッパやアメリカを中心に世界中で豊富な治療実績を持ち高い安全性を誇る信頼性を誇るインプラントであり、「CLEAN IMPLANT」という高品質の称号を取得し、治療期間の短縮が可能な特殊なインプラント形状をしています。

MEGAGEN社のインプラントについて詳しく

Densah Bur

Densah Bur

当院で使用しているMegagen社のインプラントと手術時に使用するDensah Burという切削器具はインプラントが骨にともて強固に固定される構造になっています。従来の方法では上顎洞の挙上(サイナンスリフト)や骨造成(G B R)の手術を行って骨が安定してからでないとインプラントを入れることができないと言われた患者様も多かったと思います。

私も以前はそのような方法を行なっておりました。学術的には正しいことでした。しかし手術時間も長くかかり、手術後の痛みや腫れもとても大きいです。骨を足す手術をするのでその分の費用も数十万円かかります。また骨が安定するまで半年かかり、そこからインプラントを入れる手術をするので1本のインプラントを入れるのに1年近くかかってしまいます。

1歯科医師として遅い、痛い、費用が高いこの従来のインプラント治療は患者様のためになっているのか疑問が生じました。
なるべく早く、痛くなく、費用を抑えて治療ができないものかと考えていたところ現在の方法に行きつきました。

上顎の骨が薄く上顎洞までの距離がない場合も当院の方法であれば現在は最短で一回の手術で3ヶ月程度で終了することができます。下顎で神経までの距離が短い場合も同様です。
インプラントができないと言われた、できるけど大きく骨を足さないといけない、上顎洞に骨を足さないといけないと言われて怖いと感じた患者様は是非当院に相談に来てください。

Densah Burについて詳しく

抜歯時即時埋入インプラントの
メリット・デメリット

メリット

  • 手術がシンプルで回数を少なくできる
  • 治療期間が短い
  • 痛みが少ない
  • 手術回数が少ないので費用を抑えることができる

デメリット

  • 元々の歯の病巣が大きい場合は実施ことができず、歯を抜いて治るのを待ったからじゃないとインプラントを入れることができない

インプラント治療でよくある質問

どんな人でも即時埋入は可能ですか?

MEGAGEN社のインプラントqa

年齢に制限はございませんが、骨の成長が終了する20歳くらいを目安に治療可能です。但し、顎の骨が著しく退縮した方やインプラント治療のリスクとなりうる全身疾患のある方など、場合によっては治療ができないことがございます。詳しくは歯科医師にご相談ください。

即時埋入の成功率はどれくらいですか?

従来の方法と論文上成功率に変わりはないと結論が出ております。

即時埋入の
期間はどれくらいですか?

治療にかかる期間

最もスムーズに進行する場合

1日目:診断、説明
2日目:抜歯、インプラント埋入、仮歯装着
3日目:消毒
4日目:(術後2ヶ月後)インプラントの固定チェック、型取り(スキャン)
5日目:(術後3ヶ月後)インプラント上部構造
(被せ物)装着
6日目:上部構造の確認

以上となります。
インプラントの固定の状況や歯を抜く前の骨の状況により期間が延びることがあります。

インプラント治療を
検討している患者様へ

他医院で色々な手術が必要になってインプラント治療のハードルが上がってしまい悩んでいる方も多いかと思います。以前は私も同じように大掛かりな手術をしており、それが歯科医師として正しいと決めつけていました。しかし実際の悩みとして患者様への身体的負担、経済的な負担や精神的負担は想像以上に大きく、治療をためらわれる方が多いのも事実です。
そうした声に耳を傾ける中で、私は「なるべく負担の少ないインプラント治療」の重要性に気づきました。大掛かりな手術を前提とせず、一人ひとりの状態に合わせて無理のない治療計画を立てることで、多くの方にとって治療のハードルがぐっと下がることを実感しています。
「手術が怖い」「費用が心配」「治療期間が長くなるのは不安」そういったお気持ちを抱える方にこそ、ぜひ一度ご相談いただきたいと考えています。